2007年10月16日

田島様ハピバ小説

※ハナタジです。




なぁ、オレほんとに愛されてんの?



★砂糖にくるまれた夜★


(来ない‥‥)
10月16日、午前0時30分。
毎年この日とその前の日はわくわくして、すっごい楽しくて、眠れないくらいだった。
なのに、今年は違った意味で眠れない。


10月16日、つまり今日はオレの誕生日なわけで。
日付が変わると同時に西浦のみんながメールやら電話やらをいっぱいくれた。
利央だってメールくれたんだぜ?

別にこうして友達に祝ってもらうのは今年が初めてってわけじゃなくて、中学でも祝ってもらってたんだけど。
でも、なんかすっげーうれしい。
甲子園目指して一緒にやってる仲間って、なんかカクベツって感じだよなーって。


なのに。
オレが欲しいのはこんなんじゃない、なんて。

(オレだってそんな気分になるときくらい、あンだよ)

だって、コイビトってまた別だろ?

(なんでメールも電話も、くれないの)
(はない‥‥)


なぁ、お前オレのことどう思ってんの?オレらコイビトってやつじゃねェの?
‥‥こんな風に思うのなんて、なんか女々しくてイヤだけど。
だってお前、オレのこと名前で呼んでくれたこともないしさ‥‥

なんか、むなしい。
一人でこんな自分を解説みたいなことして。


「‥‥あ゛ーもうッ!なんで誕生日にこんな気分になんなきゃいけないんだよ!花井の馬鹿ヤローッ!!」

思わず叫んでしまった、その時。


♪パッパラッパーパーパーパー〜♪

「‥‥はない?」
すぐに花井だってわかるように設定した、固定の着メロ。

なんで、なんで今更。
もう1時近いのに。

「‥‥もしもし?」
『‥‥ッ、馬鹿じゃねーよ!馬鹿なのはお前だろ!近所メーワクだっつの!』
「‥‥へ?」

え、どゆこと?なんでオレの声が花井に聞こえちゃってるわけ?

『今、お前ン家の前だから。‥‥出て、来れるか?』
「‥‥ッ、すぐ、すぐ行くから!!」


なんかよくわかんないけど、とりあえず花井が来てるってことだよな!?
ドタドタと階段を下りたい気持ちを抑えて、そろりと玄関へ向かう。だってもうみんな寝てるし。

ガラリ、と引き戸を開けると、そこには自転車と息を切らした花井。

「ごめんな、ほんとは日付変わるときにちゃんと来たかったんだけど。家出てくるの大変で‥‥」
とにかくチャリ飛ばしてきたんだけど、って申し訳無さそうに言う花井を見てたら、なんかもう、さっきまでのオレの気持ちなんだったんだよ、とか、ごちゃごちゃなって。

「‥‥ちょ、おま‥‥ッ!何泣きそうな顔してんだよ!?」
「‥‥ゲンミツに花井が悪い!」

ぎゅ、と抱きつけば、いつもは道端だからと嫌がる花井も抱き返してくれて。
ごめん、ごめんな、とぽんぽんと背中を叩きながらあやされる。

「‥‥だって待ってたのにはないメールも電話もくれねェし」
「ごめんな、‥‥なんていうか、その‥‥ちゃんと会って言いたくて」

いちばんに、と言う花井の顔は暗くてもわかるくらい赤くて。
それを見たらもう、もやもやなんてどっかに飛んでいった。


「誕生日おめでとう、田島」
「‥‥おぅ!」
にしっと笑うと、花井は笑いながら自転車のカゴから何やら包みを取り出して、オレに手渡す。
「‥‥これ、もしかしてプレゼント?」
「‥‥おぅ」
「あ、開けていい!?」
「ん」

リボンで口が結ばれていた袋を開けると、そこには毛糸のマフラーと帽子。
「や、なんかお前寒いの苦手って言ってたから。これから寒くなるし‥‥」
「花井とおそろい!!」
「‥‥へっ?」
「だって花井よく毛糸の帽子かぶってんじゃん!」

そう言うと、ああ、とだけ言って花井はうつむいてしまって。
「‥‥意識、した?」
「なッ!?」
「やっぱりー!!」

花井が自分からおそろいだなんて絶対にナイと思ってたけど、だからこそ倍以上うれしい。
もう本当に自然に、どっかから湧いてくる笑みを堪えきれなくて。
うれしさ任せにまた抱きついたら、花井はやっぱりぎゅってしてくれた。

「こうした方がもっとあったかいだろ」、なんていう恥ずかしい言い訳付きで。



ああもう、愛されてんのかなんて疑ったオレが本当に馬鹿。
こんな気持ち、花井しか与えてくれないのに。

なぁだから来年も、オレにこうやってうれしいのプレゼントしてくれな?
オレもお前の誕生日、すっげープレゼントで祝うからさ!!
posted by 光崎翼・乃ノ禾 at 22:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 小話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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